活動報告, 私の意見
24 June

日本精神

先日、金沢21世紀美術館にて2日間だけ上映された、「哲人王-李登輝対話篇-」を鑑賞し、大変感動致しました。(号泣しそうになるのを抑えるのに必死でした)
映画『哲人王 ~李登輝対話篇~』公式サイトhttps://www.tetsujino.com/

日本でほとんど絶滅に近い「日本精神」が、李登輝元総統をはじめとする台湾の人々に根付いているのは、一つの希望です。

李登輝師は(あえて師をつけて呼ばせていただきます)、まさしく「哲人王」というタイトルにふさわしい、利害だけで転ばぬ、“哲人政治家”といってよいでしょう。

といっても単に夢想するだけではなく、実際に、台湾の民主化を成し遂げました。しかも武力を用いず平和裡に。

事実上の終身制だった立法議員600人全員を説得し、退職させるなど、並大抵ではない。類い稀な指導力、説得力、忍耐力、胆力、そして徳力を兼ね備えた偉大なリーダーと言っていいでしょう。

かつてケネディ大統領が「幻想を持たない理想主義者」と評されたが、東洋の政治指導者としては李登輝師がそれに当たるのではないか。

李登輝師が尊敬する日本人に、後藤新平、新渡戸稲造と並んで、八田與一が挙げられていたのも、石川県民として嬉しく、また誇りでもあります。

李登輝師はクリスチャンでもあり、新渡戸稲造博士に私淑して、武士道精神にも精通しているが、若い頃、マルクス思想も深く学んだとのこと。

しかし、結局のところ唯物論や共産主義では人々を救えないと悟り、そして、深い信仰に回帰したのだと思う。

でなければ、あんなに粘り強く説得を続けられるものではない。

信仰など弱い人がすがるものだという人もいるが、真の信仰は、人を強くするものだと、李登輝師を見ていて確信いたしました。