欧州と増税競争をしてどうするのか。日本、置き去りにされれば市場の標的…なんてことにはさせません!
債務危機に直面している欧州では既に、日本の消費税にあたる付加価値税の引き上げが相次いでいる。概ね20%前後と高い水準にある税率をさらに引き上げるのは、通貨ユーロや国債の信用回復に向けて早急な財政再建が必要なためだ。先進国で最悪水準の借金を抱える日本も、社会保障と税の一体改革の大綱に基づく消費増税が頓挫して健全化の流れから置き去りになれば、市場から国債売りの標的にされる恐れがある。
欧州、増税で先行…日本、置き去りにされれば市場の標的 – MSN産経ニュース
欧州と増税競争をやって、何の意味があるのか。
まず、日本の場合、増税すれば財政赤字が縮小するかと言えば、そうは思えない。
「出ずるを制」しないかぎり、税率を上げても税収そのものは減る可能性が高いからだ。
また、仮に増税によって赤字幅が縮小したとしても、それは民間の方の富が減り、政府に転移したということに過ぎないる。
なぜ、新たな富を創造しようとしないのか。
国富増大の道こそ、財政再建の王道だ。
だからこそ、新たな投資をして、最強の防災機能を備えた新しい街並みや交通インフラを整備したり、新基幹産業を興す必要があるのだ。
「増税が頓挫した場合、市場から財政再建の能力がないとみなされ、ギリシャのように一方的な売りを浴びるシナリオも否定できない」とは笑止千万。
これだけの財政赤字で、これだけ政治がドタバタしており、しかも震災が起こり、それでも国債は買われ続け、円高(円強)が続いているということは、市場は政府の能力などに期待していないことは明らかであり、政府は当てにならないが、国民の勤勉性、高い倫理性、底堅い経済力などを信頼しているのではないか。
折から、消費税増税路線が、閣議決定された。
これは、重税国家、国家社会主義国家への道を宣明したことに他ならない。
「財政再建」の名の下に、世界中で増税競争をして、自由主義圏から自由を奪ったらどうなるのか。
そのイマジネーションが湧かないというのは情けない。
繰り返し言う、
「増税は国を滅ぼす!」。
日本がやるべきことは、欧州と歩調を合わせて増税路線を歩むことではなく、自由と繁栄の新しい国家モデルを提示することである。
日本こそが、これからの世界のリーダーになる使命と義務があるのだ。