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April
国家戦略担当相の戦略のなさ―reblog
玄葉国家戦略担当相は23日、福島市内で記者団に対し、2030年までに新しい原子炉を14基以上増設するとした国の基本計画は「あり得ない」として、福島第1原発の事故を受け、見直しが必要との認識を示した。
「国家戦略担当相」とは字義通りならば、国家の戦略を担当する大臣でしょう。
しかし、14基の原子炉増設という基本計画をあっさり「あり得ない」と言い切るとは、見識と責任感のなさを露呈しているのではないでしょうか。
「福島県を太陽光、風力、水力など、新エネルギー、再生可能エネルギーの基地にするぐらいの意気込みが必要だ」という「意気込み」はそれはそれで結構かと思いますが、それらで十分な発電量を賄えるようになるまで、一体どれだけの新エネルギー発電所が必要で、その建設には何年かかるのか、それまでの間、電力供給をどうするのか、具体的な案が必要でしょう。
既に4月1日に、福井県敦賀市の河瀬市長は、菅首相のげ発増設見直し発言に対し、全国原子力発電所所在市町村協議会の会長として、「事故の収束と既存の原発に対する安全対策を議論すべき」と要請し、事故を収束させることで新たな知見が得られるとし、「冷静になってからエネルギー全体を見つめ直すならいいが、今はそんなことを言っている場合ではない」「国策はぶれないことが重要。環境問題や資源などを考えると、原発は安全性を徹底すればいいのではないか」と述べていますが、その通りだと思います。
被災者の方々の感情には十分配慮しなければなりませんが、ある意味で国家戦略とは、極めて理性的に考えを詰めていかなければ、国家百年の大計を立てることはできないでしょう。