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17 January

「54%が消費増税に賛成」にみる国家社会主義への流れ

共同通信の世論調査で、消費税率引き上げに賛成は54・3%で、反対の43・3%を上回った。

54%が消費増税に賛成 – 徳島新聞社

驚くべきことに、増税賛成、もしくは積極的に賛成までは行かなくても、容認している国民が、半数以上いることになる。

増税を喜ぶ国民はほぼ皆無だろう。
おそらく、多くの国民の皆様は、財政赤字や社会保障費の心配をされているのだと思う。
公共心が高いというか、この国の行く末を思ってのことと思うが、誇るべき国民性といってよい。

現政権もマスコミも、すばらしい日本国民のメンタリティーに付け込んで、見事に洗脳し、増税不可避路線をひた走っているように思われる。

だが、ちょっと待っていただきたい。

まず第一に、「財政赤字」を理由に増税やむなし、というまやかしについて。
つとに指摘されていることだが、「国民一人当たり7百万円の借金」などというが、これは政府の負債であって、より正確に言うならば、「国民一人当たり7百万円の債権」だろう。
それに、赤字は9百兆円以上と騒がれるが、資産もあるはずであるが、これはなぜか詳細が明らかにされない。さまざまな推定からすると、純負債は3百兆円ぐらいといわれる。
それでも十分大きいと思われるかもしれないが、だからといって日本がデフォルトすることは現状ではまずありえない。
日本国債の総額約7百兆円の殆どは日本国内で買われている。つまりこれは国民にとっては資産である。
海外投資家の50兆円も馬鹿にならない金額ではないかと思われるかもしれないが、彼らがいっせいに売り浴びせるようなことがあるだろうか?
仮に50兆円すべて売ったとしても、暴落することはありえないだろう。
むしろ、円安になり、円高にあえぐ輸出企業は一息つけるだろう。
なにより、これだけ利回りの低い日本国債が買われ続けること自体、円への信頼が底堅いことを意味する。

第二に、様々な補償や年金等の社会保障の財源として必要ということである。
これも、「子供手当」を支給される家庭においても諸々の控除がなくなったために、結局は増税になったというお話もある。
つまり、政府が中間に介入したところで、適正な所得転移などなされないのではないかということである。

そもそも、増税したいと思うのは、税収を増やしたいからだろう。
税率を上げたところで、必ずしも税収増にならないことは、過去2度の消費税増税(導入時と5%に引き上げた時)によって明らかである。

現在、税収減になっている最大の原因は、デフレである。
過去、12年で平均所得は約150万円も減っているという説もある。
所得が減っている以上、税収は増えはしない。
税率を上げたところで、もっとものを買わなければさらにデフレが進み、不況は進み、財政はさらに赤字が拡大し、日本経済は没落していくだけだ。

年2~4%インフレ・ターゲットを定めて、緩やかなインフレに持っていくことが必要だ。

日銀は長らくインフレ・ファイターとしての役割を自認してきたと思うが、これだけ長期のデフレが続いている状態では、デフレ・ファイターとしての役割に転ずべきだろう。

ここは「兵力の逐次投入」の愚を避け、デフレ・ギャップ分40兆円の紙幣を刷るなど、大胆に、集中投下してゆく必要がある。
とにかく、貨幣の流通量を増やし、ジャブジャブにしていく必要がある。
今の日本で、40兆円紙幣を刷ったぐらいでハイパー・インフレになる恐れは皆無である。

さらに、紙幣をするだけではなく、積極的に未来産業へと投資しなければならない。
幸福実現党が主張するように、宇宙・航空・防衛・ロボット・海洋、さらに農業も未来産業に含めてもいいだろう。

結論として、増税、特にデフレ下での増税は、この国の経済をさらに縮小させる。これは、現在の日本の経済規模からみて、世界にも大きな影響を与えることになる。
さらに、一見無関係のように見えながら、緩やかにこの国を全体主義国家へと誘導する流れでもある(これについては、機会を改めて詳述したい)。
ゆえに、増税路線には断固反対するものである。

素直で、公共心に富む、日本国民のすばらしいメンタリティーに付け込んで、日本が衰退に向かうかのような、悲観論を煽り、国家社会主義的の方向へと導こうとする。増税路線もその一つだ。

こうした勢力に対しては、自由と繁栄とを掲げて戦い続けていかなければならない。