16
November
子供の使いではない。菅首相、日中首脳会談で何を伝えたのか。
菅首相は「(13日の日中首脳会談で)尖閣列島は、わが国固有の領土であって、この地域に領土問題は存在しないという、基本的な立場を明確に伝えたところであります」と述べた。
これは、これまでと同様の立場であって、このことを伝えることは当然のことではある。
こう伝えることすら、中華大帝国の国家主席に対しては勇気のいることなのかもしれない。
問題は、胡錦濤国家主席が、それに対してどう答えたのか、ということだ。
菅首相の主張を認めたのか、そうでないのか。
いや、それよりももっと重要な問題は、日本固有の領土である尖閣列島沖に、中国漁船が領海侵犯して来て、こともあろうにわが邦の海洋保安庁の巡視船に衝突してきたことである。
これについて、明確に、抗議をし、損害賠償を求めるべきだった。
「戦略的互恵関係」を本当に強化していこうと思うなら、相手の間違いをしっかり正すことが、本当の意味での信頼関係、互恵関係を築くことになるのではないか。
それとも、そういうことを中華大帝国の国家主席に言うのは、怖ろしいことだと思ったのだろうか。
日本国総理大臣という職務は、激務である。
特に、次から次へと、難問が降りかかって来ているこの時代においては。
眠れない夜も多いことだろう。
しかし、それは、中小企業、零細企業の社長とて同じことだ。
リーダーというものは、実に厳しいものだ。
どうか、私心を去り、国民・国家のために、命を懸けて仕事をしていただきたい。
日本国の未来は、結局、トップリーダーにかかっている。
「魚は頭から腐る」と言う。
この国を腐らせたくないものだ。
首相が自己変革できないというのなら、潔く下野し、国家危急存亡の秋(とき)にふさわしい宰相が現れることを祈念すべきであろう。