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15 November

「事実上の一騎打ち」と称して金城竜郎氏を無視する琉球新報

焦点である米軍普天間飛行場の返還・移設問題では、名護市辺野古移設を明記した日米合意の見直しと県外移設を求める仲井真氏と、県内移設反対を前面に米側のグアム移設計画推進を主張する伊波氏の主張が異なる。

県知事選 仲井真、伊波、金城の3氏届け出 – 琉球新報 – 沖縄の新聞、地域のニュース

仲井真氏と、伊波氏の二人の主張、「県外移設を求める」と「県内移設反対」とは、どこが異なるのか。

主張の違いを言うならば、仲井真、伊波両氏が、「県外移設」、金城竜郎氏が、「県内移設」で明確な対立軸となる。

ところが、同紙では、告示後の記事でも「仲井真、伊波の両氏が事実上の一騎打ちを展開する」と繰り返し報道し、ほぼ金城氏を無視しつづけている。

同紙は、14日付のコラム「金口木舌」で、「大本営発表」を例にして、尖閣沖漁船衝突事件のビデオ流出に関して、政府の情報統制を批判している。

しかし、3人の県知事候補を公平に報道しない姿勢は、情報統制そのものではないか。

自分たちは政府ではなく、民間企業だというかもしれないが、マスコミも、いや、企業全般に言えることだが、社会の公器としての側面を持つ。

ましてや、一般的に言って取材能力もその時間もない一般国民や県民にとって、新聞、テレビその他のマスコミ報道が主な判断材料となる。

その意味で、マスコミの公器としての役割は、一般企業よりはるかに大きい。いや、その公益性ゆえに、強大な、第4権力とも、事実上の第1権力とも呼ばれるようになっているのではないか。

この点、猛省を促したい。

ついでに言うと、14日付30面の、「教えて!マニフェスト」というコラム(ここでも金城氏は無視されており、質問に応える機会を与えられていない)を読んでも、普天間飛行場返還・移設問題についての、仲井真氏と伊波氏の本質的な違いがわからない。質問している大学生も、仲井真氏には「自民党本部とも政府とも方針が違い、反対する都道府県も多い中で、具体的にどのように県外移設を進めるのでしょうか」と尋ね、伊波氏には「移転先とするグアムでも環境汚染などで基地被害を受ける人がいると聞く。移設先で沖縄と同じ問題が起きれば意味がないのではないでしょうか」と、両氏への質問を、入れ替えても成り立つ質問だ。

あえていてば、仲井真氏が「県外(国内)移設」、伊波氏が「県外(国外)移設」、ということなのだろうか?

さらに付言すれば、伊波氏の回答の最後に、「基地は世界からなくなった方がよい。米軍基地はアメリカ政府が責任を持って対応すべき問題だ」と答えている。

この主張を、ぜひ、中国や北朝鮮にもしていただきたい。

あるいは、世界中にある基地は、米軍基地と思っておられるのかもしれない。そうでなければ、悪い米軍の抑止のために、世界の他の国は基地を設けていると考えておられるのかもしれないが、どうみても、民主国家であるアメリカ合衆国の軍隊よりも、独裁体制を敷く中国や北朝鮮の軍隊の方が怖い。

ぜひ、アジア各地に押し出してきている中国の軍事的脅威撤去の訴えを、県民と日本、そして中国に向けても発信していただきたいものだ。