私の意見, 私の政策
16 August

非正規社員の皆様へ

組織に縛られるのが嫌で、敢て、派遣社員や契約社員の道を選んでいる方は別として(それはそれで尊重すべき価値観と考えます)、正規社員になりたいのになれなくて、生活が苦しく困っているという方に対する私の考えは、以下のとおりです。

自由主義経済の下ではどうしても景気の波というものはあります。経営という観点から考えれば、安定した経営を維持し、事業を継続するためには、この景気の波に備える必要がある。雇用調整もそのために必要である。

もし、全員を正規社員にしなければならないというようなことになれば、最初から雇用調整しなくて済む最低限の人員しか雇えず、例えば、景気が良くなってもっと供給が必要なときに供給できないという事態が生じ、富の創出の機会を失うことになる。

問題は、不況が長期化しているために、経営者は正規社員を増やしたくてもできないということにあります。

すなわち、政治家として果たすべき責任は、そのような会社はけしからんと言って取り締まり、全員を正社員にすることではなく、景気を良くするために強力にコミットすることだと考えます。

このデフレの流れは、世界中からどんどん安い労働力が出現している現代において、日本だけが努力しても止められるものではありません。したがって、デフレのなかで利益を生み出すためには、値段をもっと下げるか、高付加価値を創出するか、あるいはこの両方しかありません。

そして、世界最高水準の賃金を維持し、さらに高めるためには、高い付加価値を生み出す努力を営々と続けるしかありません。

そのための能力を開発したり、高めたりする機会が与えられていない、ゆえに非正規社員という立場に甘んじなければならないというならば、例えば、さらなる能力を高める学びの機会を提供することなどの対策が大切であると思います。

非正規社員・正規社員を問わず、向上心を持ち、セルフ・ヘルプの精神を持つ人を支援し、成功者がたくさん出る社会、努力が報われる社会を実現することが大切だと考えます。

セーフティネットは勿論、必要です。

しかし、援助が必要でない人にまで補助し、独立心や向上心を奪うような保護政策、国が何でも丸抱えで保護しないといけないというような考え方には反対の立場です。