増税の破壊力
”異次元”という枕詞まで付けて、大胆な金融緩和をやる目的はなんだったでしょうか?
デフレ脱却と景気回復ではなかったですか?
そのために、お金が市場にもっともっと回るようにしなければならないから、「これでもか」という感じで、どんどん金利を下げ続けているはずでしょう。
しかし、一方で、消費税は上げるという。
いま、10%に上げるか上げないかのせめぎ合いに入りつつあると思いますが、基本的に言って、金融緩和と増税は、ベクトルが真逆です。
納税する金額が増えれば、その分自由に使えるお金の額が少なくなります。つまりは、市場に出回るお金の量は減ります。
一生懸命、蒸気機関車のボイラーに石炭を放り込んで熱を上げても、その燃え盛る石炭に水をぶっかけたら?火力は落ち、下手をすると火は消えて、機関車は止まってしまいます。
「アベノミクス」一巻の終わり。
増税しても消費は拡大するとか、景気は良くなる、といのは、戯言か詭弁としか思えませんね。
「苛政ハ虎ヨリモ猛ナリ」。
近ごろ里山だけでなく平地にもたまにクマが出没します。クマが出ても大騒ぎですが、虎などが出没しようものなら大パニックでしょう。
そんな恐ろしい虎よりも、昔の人は、苛酷な政治を恐ろしがったのです。
刑罰は重く、民を圧迫する、暴虐な政治だ。だけど税金は安い、ということはちょっと考えにくいので、苛政の主な内容は、やはり苛酷な重税だったのでないでしょうか?
もちろん、お役人の中には善良な人がいて、たくさん税金をいただいて、心底国民が安心して暮らせるように配分してあげたいと思っている人もいるでしょうが、それは「大きなお世話」というもの。
重税を課す「大きな政府」は必ず国民の自由を奪い、不幸にしていきます。
増税はアベノミクスを終わらせるだけでなく、国民の幸福を徹底的に破壊します。
人間の幸福にとって最も大切な「自由」を奪うという点で、重税は虎よりも、核兵器よりも猛なり、です。