05
October
富は“ゼロサム”なのか?
もしこの地球上で、富の総量が一定のものだとしたなら、人口が増えれば増えるほど、一人当たりの富の量は少なくなっていくことになる。
しかしこれは真理でないことぐらいはスグにわかる。
今より遥かに人口が少なかった古代、人々は現代人より豊かだったろうか?
かつての王侯貴族よりも、現代の一般人の方が豊かな生活をしている。
彼らが持っていなかった、自動車やケータイやタブレットなど、現代人はフツーに所有している。
そう、世の中の富の総量を増やすために、宗教があり、政治があり、経済があり、学問があり、科学技術があり、様々な活動がある。
(ここで言う“富”は、「幸福」という言葉に極めて近い)
こう言うと、「いや、物質的には豊かになったが、精神生活はむしろ、貧しくなっているではないか」と反論する人もいるだろう。
しかり、そういう面もあるだろう。いや、かなりある。
まず、そう質問するあなたが、唯物論者でなかったことを祝福します。
そして思うのです。
だからこそ、宗教が必要なのです。
宗教こそが、万学の祖であり、神仏の存在を認める宗教があればこそ、そこから流れ出ずる哲学や科学技術や医学や政治・経済・その他諸学問とそれに基づく諸活動が、間違った方向に行かず、人間の精神生活も含めた豊かさや幸福増進に貢献するものとなる。
ゆえに、政治もまた、宗教的なバックボーンを持って活動することがとても大切なのだ、と私は信じる。