成長することは悪なのか
2014年度第1四半期のGDP確定値が、マイナス7.1%と発表されました。
2%の経済成長を目標として掲げつつも、黒田日銀総裁は、「(消費税の)増税は必要」と発言しています。
アベノミクスの「第3の矢」は成長戦略のはずですが、安倍首相が、とは申しませんが、どうも政府は、一方で成長を掲げながら、他方では成長を望んでいないようにも見えます。
その深層心理には、発展や富を憎む思想があるように思えてなりません。
増税が必要だと考える人々は、主として、財政再建と社会保障をその理由に挙げます。
財政が赤字なのでそれを黒字に変えたい、というのは経営担当者や財務担当者ならば誰しも考えることではありますが、それを税率を上げることによって、と発想するのは、単純に、値段を上げても(売れる数は変わらず)売り上げは増える、と考えているのと同じことです。これは、経営者ならずとも、ちょっと販売に携わったことのある人ならば、そう単純ではないことは簡単に分かるはずです。
さらに言えば、経済成長によって国民が豊かになり、結果税収が増える、ということを見込んでいないということになります。
また、少子高齢化によって、社会保障制度が持たなくなる、だから増税、という発想は、上記と同じく税率だけ上げても単純に税収増にはならないのは当然ですが、そもそも国家が保障すると言っても、ほとんどの場合、国家(この場合は政府)そのものが富を生み出しているわけではなく、富を生み出しているのは、企業であり、国民であります。従って、保障を求める人々の比率を減らさない限り、即ち保障を求める人が増え続ける限り、どんどん増税が必要となり、従ってどんどん支える側の人が減っていき、最後は誰も支える人がいなくなるということです。
日本はもう20年もGDPが約500兆円のまま横ばいなのも、根底に富を憎み、成長を悪だと思うマインドがある証左ではないでしょうか。
具体的な政策やアイデアはいろいろあるでしょうが、この根本的なマインドや考え方を変えない限り、本質的な解決にはならないと思います。
この発展を悪と見る思想の根底には、唯物論と嫉妬心に基づく共産主義思想と、日本を悪玉と見做す東京裁判史観を淵源とする自虐史観があると思います。
例えば中国は、GDPで世界第2位となり、さらに1位を目指しつつ、覇権主義、軍事的拡張主義を隠そうともしない状況下です。
自由主義諸国の有力な一員である日本は、もっともっと繁栄してよいし、すべきだと思います。それが、アジア、ひいては世界の平和維持に貢献することにつながると思います。
「成長することはよいことなのだ」「豊かになることは素晴らしいことだ」という繁栄を肯定する考え方を強く打ち出すことが必要だと考えます。
そのためにも自虐史観を一掃し、日本の誇りを取り戻さなければなりません。そして、優れたる人・国として、ノーブレス・オブリージ(高貴なる義務) を果たしていくことを教える教育が必要です。
政治と宗教、そして教育が一体となって、新しい国づくりをしていくことが、素晴らしい成果を収めるものと確信致します。