21
April
問責決議案可決に寄せて―消費税増税が内閣最大の仕事?
前田国交大臣と田中防衛大臣の問責決議案が可決されました。
野田首相は、両大臣の更迭を拒否、両大臣もそれぞれの職責を全うする、と辞任する意思はないようです。
しかし、政治生命を懸けて、何としても消費税増税法案を通したい野田首相は、野党が審議拒否をしてきたら困ります。
与党内でも、両大臣の更迭を求める声が上がっています。
藤井裕久税調会長などは、野田内閣の最大の仕事は消費税(増税)、とげは抜くべきだ、とかなり強硬に更迭を望んでいるようです。
以前も「老害」と批判させていただきましたが、あきれはてたことに、「国民の生活が第一」より、「増税が第一」と思っているようです。
ここまで強硬に増税したいと思っているのは、ご本人は多分悪意ではなく、増税が正しい、と頑固に思い込んでいるのでしょう。
彼もマインド・コントロールされた、哀れな犠牲者なのかもしれません。
そして野田首相も。
しかし、自民党が審議に応じれば、増税法案を通せると民主党は考えているようですから、自民党も増税路線。
情けないことです。
「増税しても景気はよくなる」という”珍”常識を説くものや、財政再建しなければ日本はデフォルトしてしまう、社会保障制度を維持するためには、増税はやむを得ない、など、増税を正当化する主張は山のようにあります。
けれど、根本に立ち返って考えてみるならば、国民や企業が富まずして、税収が増えることはありません。
百歩譲って増税するにしてもインフレ時ならばいざ知らず、いまの長期デフレ時代に増税すれば、必ず景気は悪くなります。
結果はやがて明らかになるでしょう。
藤井氏の発言に戻せば、増税が内閣の最大の仕事、などではなく、緊迫する東アジアの情勢を考えれば、国防・安全保障こそ、最大の仕事でしょう。