晩秋に想う
今日は実に北陸の晩秋らしい日でした。
鉛色の空。ときどき降る雨。いつみぞれが降ってもおかしくない。
ときどき青空がのぞき、明るい日が射す。
こんな日も嫌いではないです。
ふと、1年前の今頃は、沖縄県知事選のお手伝いで、約1か月ほど沖縄に滞在したことを憶い出した。
北陸とは打って変わり、11月の沖縄は、(私の感覚からいえば)初夏のようなさわやかさだった。
あの海の美しさも忘れられない。
知事選が終わり、初夏の沖縄から小松空港に変えると、いきなりみぞれだった。
あまりの気候の違いに呆然としたが、それでも、沖縄は、北陸同様、日本だという思いを強くした。
1年前のことだが、はるか昔のことのようにも、つい先日のようにも思える、不思議な感覚。
お世話になった皆さんのことを想い出し、あらためて感謝の思いが湧いてきた。
沖縄の皆さんは、本当にいい人たちばかりだった(北陸の人は人が悪いという意味ではありません。当然ですが、念のため)。
県内移設に反対している人たちだって、悪意のある人はほとんどいないように思った。(おそらく、県外からの左翼活動家が扇動しているのだろうが)素直なだけに、誤った情報をそのまま鵜呑みにし、反対している人が多いのではないだろうか。
1年たっても仲井眞知事はあくまで普天間基地の県外移設を主張し、辺野古移転は受け入れない決意は固いようだ。
米軍基地が去った後の沖縄を想像することができないのだろうか。
まず経済的側面だが、基地とその関連産業でたくさんの雇用が生まれていることは否定できないだろう。
仲井眞知事が3000億円も要求している一括交付金も、その正当性の根拠を失う。
さらに、これが重要だが、安全保障上の側面。
ベトナムやフィリピンなど、米軍が引いて行ったところに付け込んで覇権を広げるこれまでの中国のやり方を見れば、沖縄に関してだけは例外、とはどうしても思えない。
ましてや、昨年の尖閣事件をはじめ、堂々と領海を犯している中国、野心満々と見るのが普通だろう。
日本列島はもとより、台湾や韓国にとっても、沖縄に米軍が駐留してくれていることが、対中国抑止力としてどれほどありがたく、かつ必要なことか。
一朝有事の際には、九州やその他の地域では遠すぎることは明らかだ。
こうしたイマジネーションが湧かないとするならば、県民の命を預かる為政者としては不適格と言わざるを得ない。
奇しくもきょうは、横田めぐみさんが34年前に拉致された日だそうだ。
愛しい娘を拉致された横田ご夫妻のお気持ちはいかばかりか。
日本海、東シナ海を挟んで、日本はかくも危険な国と国境を接しているという事実を改めて確認したい。
「愛しているから、守りたい」。
他国に侵略という悪を犯させないためにも、抑止力としての国防力はどうしても必要だ。