復興・再建のために、電力供給対策を急げ
東日本大震災で福島第1原発が津波による被害を受けたことによって、東日本では節電が続いています。
すでに夏の電力不足が心配されております(約2千万キロワット不足すると言われています)。
これに対して、計画停電、輪番制、サマータイムの導入、電力料金値上げによる電力使用の抑制、はては夏の甲子園の中止など、様々な対策が提案されているようです。
これらの提案の殆どは、電力の使用を抑えること、要するに節電です。
しかし、これから復興しようとするときに、電力をはじめとして必要なエネルギーが十分に使えずに、どうして復興が順調に進むでしょうか。
おそらく、福島第一原発は復旧せず、新しい原発の建設も難しいだろうし、たとえ建設するとしても当然、すぐには発電できるようにはならないだろうし、
代わりの発電ではとても供給が追い付かない、といった理由からだろうと思われます。
しかし、できない理由を数え上げていても仕方がありません。
節電一本ではなく(節電を否定するものではありません。合理的な節電はもちろん大切と思いますが)、あらゆる手段を講じていかにして供給を増やすべきかということをまず第一に考えるべきではないでしょうか。
東京電力は、他の電力会社やIPP(石油・鉄鋼・科学などの他の事業者による電力供給)からの融通と、火力発電の増強により、850万キロワットを準備、また非常用電源、太陽光発電などの分散電源を導入することにより365万キロワット供給を増やすことができるようです。
それでもまだ1千万キロワットほど足りません。
スマートグリッド(ITを使い、電力の流れを制御し、使用量に合わせて最適な発電量・蓄電量を調整する)も早急に構築すべきでしょう。
太陽光、風力、燃料電池、などなど、打てるだけの手を次々と打ち、供給を確保することが大切だと思います。
しばらくは、ガスタービン発電が有効かと思いますが、原発も、単なる恐怖心やアレルギーで拒絶することなく、放射能が絶対漏れないよう、もう一段シェルターで完全に覆うなど、安全対策をもう一段高めるなどして、原発に替わるエネルギー源が出てくるまでは、簡単に捨ててしまわないことが大切だと思います。
代替エネルギーとしては、燃料電池が最も有望なものの一つだと思いますが、必要なエネルギー量を賄うまでには、まだまだ時間がかかるでしょう。
しかし、「必要は発明の母」と言われるように、このような事態になって、さらに開発速度は速くなる可能性はあります。
いずれにしても、これを成し遂げるには、必ず復興させるという、指導者の強い意志とリーダーシップが大前提として必要と思います。