私の意見
14 September

日本国存亡の危機!―尖閣諸島問題

言うまでもなく、尖閣諸島は日本固有の領土である。
中国漁船の領海侵犯、中国側の恫喝とも思える態度、対する日本政府の対応を見ていて、ナチスドイツのスデーテンラント掠取を想起した。

1938年、オーストリアを併合したヒトラーは、チェコスロバキアの領土であったスデーテンラントの割譲を要求、ヨーロッパ全土に澎湃たるパシフィズムのなか、ミュンヘン会談においてイギリス、フランス、イタリアの列強は、戦争を忌避するあまりその要求を受け入れた。
ヨーロッパが戦争に巻き込まれることなく、平和が守られたと喜んだのも束の間、翌年、チェコスロバキアはドイツに併合された。
そしてその年の9月、ドイツはポーランド侵攻、第2次世界大戦へと突入していった。

尖閣諸島をスデーテンラントになぞらえれば、日本の運命はかつてのチェコスロバキアと同じ運命となってもおかしくない。

ここで注意すべきは、当時、領土の割譲は列強同士の会議により決定され、当事者であるチェコスロバキアは、ひと言の発言権もなかったということである。
当時のパワーポリティクスのなかでは、列強の意志のみが、正義、とまではいわないまでも、秩序維持の条件であったからだ。

もちろん、現代の日本は、当時のチェコスロバキアのような立場にはないし、現代において、世界は当事者の意見は無視して列強の意志のみで決まっていくわけではない。
日本は自らの意志によって、自らの進むべき方途を選択できる立場にある。
日米安全保障条約により、軍事的にはアメリカにかなりの部分依存しているとはいえ、我が国は独立国であり、その経済規模からいっても大国といってよい。

にもかかわらず、尖閣諸島は日本の固有の領土である、ということを闡明しない態度は、自らその立場とその権利を放棄していると受け取られても仕方がないではないか。
このブログでも何度か言ってきたことであるが、「権利の上に眠るものは保護されない」のだ。

日本的に、みなまで言わなくてもわかってくれるだろう、という態度では済まされない。
言うべきことは言い、主張すべきことは主張すべきであるし、意思決定すべきことは断固として意思決定しなければならない。

明らかに中国側は、事実上日本の首相を決める、民主党代表選のこの時期を狙ってこうした騒動を起こしているように見える。
そして、日本側の反応を見ようとしているのだ。
日本がさほど騒がなければ、悠々と、なしくずしに実効支配するだろう。
そして、日本がそれほど騒がないと知ったらそれに味をしめ、次々と島を獲り、沖縄本島、九州、そして本州へと攻め上ってくることは、国防上十分想定しておかなければならないことだろう。

本来、こうした領土・領海の侵犯に関する問題はわが国の国論が沸騰するような大事件であり、一政党の代表選などよりはるかに優先順位が高いはずである。
この点、政府・与党の対応は非常に遅く、弱腰でもある。民主党代表選においても、あえて触れないように見える。マスメディアの取り上げ方も不十分である。日本という国が滅びてから反省しても遅すぎるのだ。

日本政府、および、日本国民は、はっきりと、「尖閣諸島は、日本固有の領土である」ということ、そして、この事実を守りぬくという決意を、表明する必要がある。

日本は周囲を海に囲まれ、さほど外冦に遭うことがなかった。
そのこと自体は国防上の長所ではあったが、それで守られていたがゆえに、危機感を抱きにくいという面がある。
強みと弱みは表裏一体である。

いま、わたしたち日本人は、明確に危機感を持つ必要がある。
国家存亡の危機の淵に、本当に立たされているのだ。

かつて長州が無謀にも米英仏蘭の4カ国連合艦隊と戦い、当然のことながらボロ負けしたあと、講和会議において全権大使・高杉晋作は、彦島の租借を、敗者の側でありながら毅然とした態度で、断固として拒絶した。
尖閣諸島の問題について、日本は戦争をして負けたわけではない。
中国側に譲歩すべき理由は何もない。
しかし、万一、譲歩してしまった場合は、租借などではなく、永久に割譲してしまうことになる。のみならず、中国の植民地、あるいは属国化し、日本という国そのものが消えてなくなる危険性をはらんでいるのだ。

どうか、この国家存亡の危機に、一人でも多くの日本人が気付き、目覚めていただきたいと心から願います。
そして、「尖閣諸島は、日本固有の領土であり、他国に割譲するなどということは断じてあり得ない。また、我が国固有の領土を侵略するような行為は、断じて許さない」ということを、明確に、メッセージとして発信する必要があります。

わたしは微力ながら、幸福実現党に集う数多の草莽の志士たちと共に、祖国の平和と安全を守るために、全力を尽くすことを誓います。