仙谷由人官房長官は8日午前の衆院予算委員会で、沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像が流出した問題について、「国家公務員法の守秘義務違反に関する罰則規定は軽く、必ずしも抑止力が十分ではない。秘密保全に関する法制のあり方を早急に検討したい」と述べ、機密漏えいに対する厳罰化を検討する考えを示した。

尖閣映像流出:機密漏えい厳罰化を検討 仙谷官房長官 – 毎日jp(毎日新聞)

法律を守ることは大切である。
しかし、原点に還って考えれば、そもそも、法律は、正義の実現のためにある。
換言すれば、正義は、法律の上位概念である。

正義の実現のために、常人ではなかなかできないような勇気ある行動をする人を、「英雄」と呼ぶのである。

ノーベル平和賞を受賞した劉暁波さんは、中国の法律に依れば犯罪者である。しかし、国際世論は、劉暁波さんの行為と、ノーベル平和賞受賞を支持している。
かつて、吉田松陰も、幕法を犯して、アメリカへの密航を企てた。当時の法律ならば、立派な犯罪者である。坂本龍馬も然り、「脱藩」という犯罪を犯した重罪人である。

しかし、彼らは英雄であった。

現代ならば、アメリカへ渡航することや、いわんや自藩の外に出ることがなぜ罪を問われなければならないのかとバカバカしく思えるが、当時はそれが常識であり、法律であったのだ。

守秘義務違反はそれは重大であるが、ビデオを流出させた人が、正義の実現のために常人にはなかなかできないような勇気を奮って告発したのならば、それは英雄的行為と言えるだろう。
国民がみな知りたがっている、いや知るべき事実を政府が隠ぺいしていること(これを国家機密と言えるのか疑問だが)をよしとせず、止むに止まれぬ気持から流出させたのなら、それはやはり正義といえるのではないか。

論点をすり替えてはいけない。

胡錦濤主席がAPECに参加するかどうかばかりを気にしているようでは、相手はますますつけ上がる。
最も重要なことは、ビデオを流出させた犯人は誰か、ということよりも、中国の明らかな挑発行為や恫喝的な行動、その背景に、明らかに日本を属国にしようとする明確な意図があることを認識し、それに対する防衛体制を敷くことだ。そのためには、日米同盟を堅持しつつ、集団的自衛権の行使を認める、明らかに侵略的意図を持つ国や、軍事力によって我が国を恫喝する国に対しては、憲法9条の適用を除外する、などの大胆な政策を実行することだ。

菅首相や仙谷官房長官に、もしこのような決断ができれば、「英雄」として後世の歴史によって評価されることだろう。


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